フィルムの表面加工とは【フィルム加工基礎知識】

このページでは、フィルムの表面加工とは何をするのか、種類や役割、加工方法など基礎的なことをまとめています。

プラスチックフィルムの表面加工

表面加工には様々な役割がありますが、大きく分類するのであれば機能性と意匠性です。

機能性は密着力向上やブロッキング防止、摩擦軽減や転写箔、抗菌やハードコートなどで、家電や生活雑貨、車やインテリアに用いられています。

一方、意匠とはデザイン性です。元の素材を生かしたデザインを付与するケースもあれば、元のデザインとは全く異なるていすとのデザインを付与することで、よりおしゃれなデザインを実現するケースもあります。

表面加工の種類について

表面加工には様々なタイプがあります。

放電処理

プラズマを発生させることで印刷・コーティングに適したフィルムとなります。

スパッタリング・真空蒸着

金属か処理の一種です。記憶媒体の記憶面や半導体に使用されています。

火炎処理

フレーム処理と呼ばれることもあります。炎を当てることで酸化させます。

電子線・放射線処理

耐熱・耐水性を付与させることを目的にしたものです。

物理粗面化処理

サンドマットやヘアラインなど、意匠性の高い加工です。

表面塗布法

コーティング法と共押出およびラミネート法の2種類に分類されます。表面加工の中でも比較的有名な手法です。

その他

上記のいずれにも該当しないもので、主に添加剤を混ぜ合わせるものです。

加工方法について

成膜工程でフィルムを製造する際、一緒に処理するインライン処理と、一度生成したフィルムに後から処理を行うオフライン処理の二種類に分類できます。

インライン処理は溶剤や処理タイプ・厚みに制限がありますが、オフライン処理はインライン処理と比較すると自由に加工できる点が強いです。

コロナ放電処理、コーティング法、共押出がインライン処理、サンドマットやヘアライン加工などがオフライン処理に該当します。