こちらでは、スパッタリングターゲットについて分かりやすく解説しています。ターゲット選定の際のポイントやスパッタリング技術が活用されている製品などをご紹介します。
成膜技術のひとつである「スパッタリング法」で、薄膜の形成を行う際に使用する材料のことを、スパッタリングターゲットといいます。
ちなみに、スパッタリング法では、真空中でイオン化させたArなどをはじめとする不活性ガスを、ハイスピードでぶつけることによって、原子をスパッタリングターゲットの表面から叩き出します。その原子を、基盤などに付着させて成膜していきます。
高融点金属・合金などの蒸着法だと難しい材料であっても成膜が可能で、しかも、広い面積にムラなく仕上げられるという特徴があります。
おさえておきたい選定ポイントが3つあります。
金属系で粘性のあるターゲットを選ぶようにしましょう。熱膨張差によって生じる反りが小さい場合が多いからです。反りが起こりやすいものを選んでしまうと、割れたり、ターゲットを貼り付けているはんだやバッキングプレートが剥がれたりするリスクが高まります。
プレートを冷却する際、直接冷却を行う場合には特に、ターゲットに強度が必要になります。というのは、バッキングプレートに水圧がかかり続けると反りやすくなり、その影響を受けたターゲット材料が割れてしまう可能性があるからです。
圧力は想像以上に強いため、注意が必要です。たとえば、ターゲットの大きさが直径30センチの場合、バッキングプレートにかかる水圧は2〜3トンほどにもなります。
ターゲットには複数の種類があるため、どういった目的に使用するかによって、選定すべきターゲットが異なります。スパッタリング技術を用いる製品にどのような特性を付与できるのか、あるいはどのくらいの強度が必要なのか、といった点をふまえて選定することが大切です。
製品例の一部について解説していきます。
車のフロントガラスや、モニターディスプレイ、光ファイバーケーブルなどに反射防止膜が形成されています。近頃ではさらに、フィルムや樹脂などにもスパッタリング技術が活用されるようになっています。ターゲットは主に、フッ化マグネシウムや二酸化ケイ素などです。酸化チタンが組み合わされる場合もあります。
銀やチタン、酸化チタン、ハイドロキシアパタイトなどをスパッタリングターゲットにすると、製品に消臭性を付与することが可能です。また、銀の抗菌性を活かし、スポーツウェアに用いる場合もあります。
スパッタリング技術は着々と進化を続けています。ここでは、進化によって生まれた技術を2つご紹介します。
スパッタリングといえば、もともとは平面に薄膜をつけるための技術のことでした。けれども現在では、超微細孔の中に薄膜をつけることができます。次のような工夫をすることで、この技術が誕生しました。
スパッタリングではアルゴンを使用する場合が多いです。けれども、稀に、薄膜内にアルゴンが取り込まれてしまう問題が起こります。この問題を解消するため、アルゴンを使わずにスパッタリングできる「セルフスパッタ」という技術が開発されました。金や銀、銅などの金属自身のイオンによってターゲットをスパッタリングする技術です。
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)