VR・AR技術に使われるフィルム部材

こちらでは、XR市場の動向について簡単に紹介した上で、これまでにはなかったVRデバイス用のフィルム部材について解説していきます。また、VR・AR・MR・XRなど、技術や概念を表す言葉について、それぞれの意味を分かりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

VR・ARの市場動向について

国内のXR機器は、2025年には100万台に達することが予測されています。また、メタバース市場においては、2030年には世界で合計200兆円を突破し、また、ハードウェアが全体のおよそ35％を占めると考えられています。こういったデバイスは、ハードウェアが先行し、ソフトウェアが後発となるパターンが多いです。

参照元：OTIS技術コラム（https://otis-group.com/blog/gyoukai/mobile/xr市場が動き出す！/）

VR・AR・MR・XRとは

VR

仮想現実を意味する「Virtual Reality」の略語です。コンピューター上の人工的な世界に、まるで実際に入り込んだかのような感覚をユーザーに味わせることができる技術です。前後左右の視覚方向に合わせて映像が映し出されます。

AR

拡張現実を意味する「Augmented Reality」の略称です。現実の空間に、実際には存在しない付加情報をCGなどで表示することによって、世界を拡張していく技術です。ゴーグルなどを通して見る映像内に、食べられる物など、五感に作用する情報を表示すれば、ユーザーに新たな体験をもたらすことができます。

MR

複合現実を意味する「Mixed Reality」の略称です。ARで映し出した世界に、VRが作り出す仮想の物体を組み合わせ、両者を融合させる技術です。現実空間と仮想空間が影響を与え合う世界を創造できます。

XR

「Cross Reality」の略語です。上述のAR・VR・MRなどの技術の総称です。

VRデバイスなどに使われるフィルム部材は？

画素隠蔽フィルム

VRヘッドマウントディスディスプレイの画質を良くすることで、ユーザーにとっての映像へのリアルな没入感を、さらに高められる画素隠蔽フィルム。ヘッドマウントディスプレイにつきものである、ディスプレイ上の網目模様を改善する効果があります。網目模様が見えてしまうことによる没入感低下を回避できます。

画素隠蔽フィルムが誕生した背景には、近年のアミューズメント業界などでのバーチャルリアリティに対する注目の高まりがあります。VRHMDで映し出される映像の鮮明さを低下させることによってではなく、画素感を抑制することによって、視覚的な没入感の向上につなげているのが特徴です。

画素感の抑制は、VRHMD内に組み込まれた画素隠蔽フィルムによってRGBの色領域が広くなり、混色防止を目的に各色領域の間に設けられているブラックマトリックスが見えにくくなることで可能になります。

参照元：DNP|ヘッドマウントディスプレーのよりリアルな世界を実現（https://www.dnp.co.jp/news/detail/1187722_1587.html）

反射防止フィルム

映し出される映像への没入感を向上するには、外部の光のディスプレイへの反射を抑えることも重要です。スパッタリング技術によって誕生した反射防止フィルムを使用することで、それが可能になります。蒸着防汚技術により指紋や傷防止のための性能の付与も可能なところも、反射防止フィルムの注目ポイントです。

参照元：デクセリアルズ株式会社|VR・AR・MR・XR関連製品への応用技術——拡大するメタバース市場に応える（https://techtimes.dexerials.jp/elemental-technologies/applied-technology-for-xr/）