ポリカーボネート(PC)

フィルム加工でも用いられる材料ポリカーボネート(PC)とは

ポリカーボネート(PC)は、さまざまな性質を持つエンジニアリングプラスチック(機能を強化したプラスチック)の一種です。ポリカやPCと呼ばれる場合もあります。熱を加えると柔らかくなる熱可逆性が特徴で、加工しやすいことから多彩な分野で使われています。

一般的なポリカーボネート(PC)製品は、白や黒、赤や青など着色されているものがほとんどです。しかし、素材としてのポリカーボネート(PC)は無色透明であり、ガラスのように透き通っています。

耐衝撃性の強さも特徴で、防弾ガラスに使用されることもあるほどです。他にも、その耐衝撃性からカバーに使われたり、透明度を活かしてレンズに用いられる場合もあります。

ポリカーボネート(PC)の長所と短所

ポリカーボネート(PC)の長所

ポリカーボネート(PC)は、耐候性がある素材です。屋外での使用が可能で、建築用途に用いられることもあります。また、耐熱性の高さも特徴で、高温〜低温まで、幅広い温度の環境で使用することができます。成形収縮率も低く、精度の高い加工も可能です。

ポリカーボネート(PC)の短所

ポリカーボネート(PC)の欠点は、アルカリ性に弱い点です。アルカリ性のコンクリートや有機溶剤に触れると、素材が劣化・変質してしまう場合があります。衝撃には強いものの、表面硬度が低い特徴があり、傷がつきやすい点にも注意が必要です。

ポリカーボネート(PC)の製造方法

ポリカーボネート(PC)の製造方法は主に2種類。炭素・塩素・酸素の化合物であるホスゲンに、有機化合物であるビスフェノールAを組み合わせて製造するホスゲン法と、炭酸エステルの一種である炭酸ジフェニルにビスフェノールAを組み合わせるエステル交換法があります。

ポリカーボネート(PC)の種類

ポリカーボネート(PC)は、以下の種類に分類できます。

強化グレードは、ポリカーボネート(PC)にガラス繊維などを混ぜたものです。アロイグレードは、ABSなど他の樹脂を混ぜて作られたものを指します。

ポリカーボネート(PC)の使用用途

加工しやすさや耐衝撃性など多数の特徴を持つポリカーボネート(PC)は、幅広い用途で使用されています。

スマホのボディやアタッシュケースなど、耐衝撃性が求められる製品での使用が一般的です。透明度が求められるメガネやサングラス、各種レンズでもポリカーボネート(PC)が用いられています。

他にもおもちゃや文房具、3Dプリンターのフィラメントなど、幅広い製品に応用されています。

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