フィルムコンデンサとは?特徴・用途について

このページでは、フィルムコンデンサの特徴や種類、用途などについて、分かりやすく解説しています。

フィルムコンデンサとは

コンデンサの中でも、高分子のプラスチックフィルムを誘導体として用いたものを、フィルムコンデンサといいます。性能が非常に充実しているコンデンサであるため、高い耐久性や品質の良さなどが求められる製品に多く使用されています。ただ、プラスチックのコストが高いので、どうしても用途が限定的になっているのが現状です。

フィルムコンデンサの特徴

電気的特性

フィルムコンデンサのおもな電気的特性として、おもに次のようなものが挙げられます。

自己発熱特性

交流電流やリップル電流などが損失すると、自己発熱する特性があります。その発熱があまりに大きい場合、故障してしまうおそれがあるので、要注意です。 自己発熱は、一般的には5〜10℃といわれています。

フィルムコンデンサを使う場合には、あらかじめ電流条件と環境温度を確かめておきましょう。周囲温度に自己発熱温度を加えた数値がフィルムの耐熱温度を超えてしまうことのないように設計する必要があります。

高信頼性

金属蒸着フィルムを誘導体としているので、過電流の際などに、オープン故障します。この機能のことをセルフヒーリングといいます。過電圧が加わったり、あるいは電気的になんらかの弱点があったりして絶縁破壊が生じても、まわりの蒸着膜が酸化するので、すぐに絶縁状態から回復するのが、セルフヒーリングのメカニズムです。

参照元:evort|フィルムコンデンサとは?特徴や構造・役割を紹介(https://evort.jp/article/film-capacitor#h7142892048)

フィルムコンデンサの種類

コンデンサは、アルミニウムなどの金属箔を用いてプラスチックといっしょに何重にもわたって電極を巻いてつくられます。そして、端子の付け方により、コンデンサはさらに「箔電極型」「蒸着電極型」のふたつに分けることができます。

箔電極型

意図的にフィルムと金属箔をずらし、渦巻き部分の両端から外れた金属箔に端子を付けたコンデンサのことを、箔電極型のコンデンサといいます。金属箔の複数個所に端子が付いているので抵抗値が低下し、そのことによってコンデンサとしての性能が上がる仕組みになっています。

蒸着電極型

プラスチックフィルムの表面に金属を薄く蒸着させ、それを電極として利用するコンデンサのことを、蒸着電極型のコンデンサといいます。金属化フィルム型と呼ばれることもあります。上述の箔電極型と比較すると、電極に厚みがないので、小型化・コンパクト化が可能です。

なお、蒸着電極型の工法には、巻回型と積層型のふたつがあります。

フィルムコンデンサの用途

フィルムコンデンサは、家電製品や電気自動車・ハイブリッド車、蓄電システムほか、身近な製品に幅ひろく用いられています。また、小惑星探査機「はやぶさ」にもフィルムコンデンサが用いられました。

【フィルムコンデンサを使用する目的】

特に需要が大きく増加しているのが、ハイパワー領域です。高耐電圧であり長寿命、さらに高信頼性であることが求められるため、フィルムコンデンサが必要になるわけです。

EV/HEVや太陽光システム、風力発電システムなどに使用されるインバータをはじめとして、地球環境に関連のあるマーケットは、世界的に拡大傾向にあるので、今後も引き続き注目すべきコンデンサであると考えられます。

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