無延伸PP(CPP)

フィルム加工でも用いられる材料 無延伸PP(CPP)とは

無延伸PP(CPP)は、引っ張ると伸びる性質を持つポリプロピレンのことです。柔らかいのが特徴で、引っ張り強度やヒートシール性(熱で融着できる性質)があります。汎用性が高いことから、フィルム用として広く使用されている素材です。

無延伸PP(CPP)は、フィルム同士を貼り合わせるラミネートの接着に使われることも珍しくありません。無延伸PP(CPP)を用いたラミネートは費用が安いことから、コストの削減に繋がる可能性があります。

無延伸PP(CPP)の長所と短所

無延伸PP(CPP)の長所

無延伸PP(CPP)は引っ張り強度だけではなく、耐摩耗性があり、研磨・摩擦などの摩耗に耐える性質を持ちます。また、耐熱性もあるため、ある程度の熱にも耐えることが可能です。生産性も兼ね備えており、コストの抑制にも寄与します。

無延伸PP(CPP)の短所

耐寒性が乏しく、冷温下では耐久性が落ちてしまうことが無延伸PP(CPP)のデメリットです。衝撃にも強いとはいえませんので、充填するものによっては適さない場合があります。透明度もOPPに劣るため、透明性が求められる製品にも向きません。

無延伸PP(CPP)の製造方法

無延伸PP(CPP)は、最初に押出機で樹脂(リジン)を溶かし、Tダイと呼ばれる装置に押し出します。次にTダイで幅を広げ、キャスティング装置に送られて固化します。そして巻き取りし、一定の幅にスリット加工されます。

意外にもあるPPの種類

二軸延伸PP(OPP)

二軸延伸PP(OPP)は、縦と横方向にポリプロピレンを引っ張ることで作られる素材です。CPPとは違って柔らかさがないものの、光沢や透明度があります。印字しやすいことから、印字が必要なものや、見栄えが重視される製品に適しています。

IPP(インフレーションポリプロピレン)

IPP(インフレーションポリプロピレン)は、チューブ状に製造されるポリプロピレンのことです。少ない工程で済むためコストパフォーマンスがよい反面、透明性が乏しいデメリットがあります。偏肉も発生しやすいため、精度にも注意が必要です。

無延伸PP(CPP)の使用用途

無延伸PP(CPP)は、主に以下の用途で使用されています。

無延伸PP(CPP)は食品用の袋のコーティングに適しているほか、プラスチック容器にも向いています。

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