蓄光テープの仕組み・用途について

このページでは、蓄光テープの特徴や光を蓄える仕組み、代表的な用途や選ぶ際のポイントを解説しています。

蓄光テープとは

蓄光テープとは、蛍光灯や太陽光などの光を蓄え、蓄えた光が暗闇で放出される特性を持つテープです。電力を必要とせず暗いところで目印になることから、事故防止や停電時などに役立つ防災用として使われています。

蓄光テープの発光時間は製品によって異なりますが、数十分のものから数時間、中には10時間以上発光するものもあります。

貼るだけという手軽さから、一般家庭はもちろん、企業や工場など幅広いシーンで活用されているアイテムです。

蓄光テープの規格について

防災用品として使用される蓄光テープには規格があります。産業標準化法に基づいて制定されるJIS規格(JIS Z 9107)の条件を満たした蓄光テープだけが「高光度蓄光テープ」として認められます。

また、蓄光テープは輝度に応じてグレードが分かれています。各グレードの基準は以下の通りです。

りん光材料の最低りん光輝度

参照元:日本産業規格の簡易閲覧|安全標識−性能の分類,性能基準及び試験方法[PDF] (https://kikakurui.com/z9/Z9107-2008-01.html)

蓄光テープと反射テープ・蛍光テープの違いは?

蓄光テープのように、光るテープの中には「反射テープ」や「蛍光テープ」と呼ばれるものもありますが、これらは別物です。

蓄光テープは蓄えた光エネルギーを放出して自ら発光する性質を持つのに対し、反射テープは受けた光を反射するものです。暗闇でも明るく見えますが、光が跳ね返る現象を利用しているため、光源がないと視認できません。

一方、蛍光テープは光や紫外線などを当てた際に発光する性質があり、明るい場所であれば鮮やかに目立ちます。

反射テープと蛍光テープのどちらも暗闇での視認性はないため、光源や照明など、ある程度明るい環境でないと見えません。光源のない暗闇で光る蓄光テープとは仕組みが異なります。「光るテープ」を選ぶ際には、これらの違いに注意が必要です。

蓄光テープの仕組み

蓄光テープは、粘着テープに含まれる蓄光顔料が発光することで光ります。蓄光顔料とは、太陽光や蛍光灯などの光エネルギーを蓄える性質を持っています。

光エネルギーを受けたとき、蓄光顔料は余分なエネルギー(紫外線領域の波長エネルギー)を吸収している不安定な状態から元の状態に戻ろうとします。蓄えたエネルギーを徐々に放出し、安定状態に戻ろうとするときに光が見えるようになります。その現象を利用したのが蓄光テープの仕組みです。

蓄光テープの用途について

夜間に災害が発生したときや万が一の停電時、暗がりになって視界が悪くなるとケガや事故のもとになります。蓄光テープは、防災を目的に作られたアイテムです。災害時や暗闇でその機能を大いに発揮します。

避難経路の目印

蓄光テープを床や廊下、階段に貼ると、災害時の避難ルートを示す目印になります。好きな長さや形に切って使えるので、矢印の形にしたり等間隔で道順を示したりと、自由に工夫できるでしょう。

暗い場所の目印

懐中電灯やヘルメット、避難用の靴などに貼っておけば、停電が起きた際に暗がりで見つけやすくなります。

家庭向けの製品であれば、ドアノブや電気のスイッチに貼ることで、災害時だけでなく夜中にトイレに起きた際などにも役立ちます。

転倒事故を防止する

蓄光テープを階段など段差があるところに貼っておけば、暗がりでも段差を一目で把握できるため、転倒や落下防止につながります。

角が出ていて危険な場所に貼るのも効果的です。暗い場所でも目印があれば、停電時や暗い場所でのケガを最小限にとどめることができます。

蓄光テープの選び方

規格を満たしているか

まず大切なのが、防災用品としての規格を満たしているかどうかです。蓄光テープはJIS規格に基づいてランク付けされており、JCクラス以上の規格を満たしている蓄光テープは防災用とに活用できます。

安価で販売されている蓄光テープの中にはJIS規格外のものもありますが、非常時に十分な明るさを発揮できると保証されているわけではありません。防災用品として使用したいのであれば、JIS規格を目安に選びしましょう。

耐久性があるか

蓄光テープは床や階段など、普段からよく利用する場所に貼り付けて使用します。粘着性の強さや耐水性も選定ポイントのひとつです。災害時に備えて長く利用できるよう、耐久性の高い製品を選びましょう。

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