テープ・フィルム加工の工法は多々ありますが、その中の一つ、打ち抜き加工について、様々な点からご紹介します。打ち抜き加工に興味のある方は是非ご覧ください。
打ち抜き加工とは、まずは抜き加工から理解する必要があります。
抜き加工の定義は業界によって様々で、明確な定義・統一された規格があるものではありません。しかしフィルムとテープの抜きに限定するのであれば、プレス加工の定義でもある「板状・帯状の材料を適当な長さに切断したり、任意の形状に打ち抜いたり、穴を開ける」となります。
そして板状・帯状と記されているものが、フィルムや両面テープとなります。他にも金箔に代表されるロール材料、シート状態の材料が該当すると考えられます。
これらを単層や積層状態にしたのち、シリコン系の剥離処理が施されているセパレーターのベースの上でカットすることを抜き加工だと定義できます。クッキーを作るような加工方法だとお伝えすると分かりやすいのではないでしょうか。
しかしこの加工が様々な場所で文言を変え、打ち抜きやダイカット、プレス、断裁といった名称が用いられています。つまり、打ち抜き加工とは抜き加工だと考えてよいでしょう。他にもプレス、ダイカット、型抜き、板金といった呼称もありますが、基本的には同じ原理だと考えられます。
台紙そのものまでカットする方法をオールカットと呼びます。シールやテープは薄く剥がす必要がありますので、台紙部分がなければ剥がしにくくなってしまいます。そこで台紙に切り込みを入れることで、製品に貼りやすくすることを目的としています。
加工材料の台紙となる部分を残す手法です。
台紙が切り落とされないのでシールのように残ります。結果、次の工程における作業性の向上や管理の容易さといったメリットに繋がっています。
アメリカのトムソン社が製造した打ち抜き機を由来にした名称です。
板に刃が付いた打ち抜き加工の中でも代表的な加工で、特徴の異なる刃を装着することで仕上がりを変えることができます。
トムソン抜きは刃を変えることで特徴が変わる点が特徴です。
まな板にクッキー型を取り付けた抜き打ち型を使用するのがトムソン刃です。一枚の抜き加工に向いている刃で、型抜きだけではなくスジ・ミシン目を入れることもできることから、トムソン抜きの中でも比較的多く用いられている刃とされています。
薄い金属板をエッチングさせた刃がピナクル刃(腐食刀型)です。上から打ち抜く形で、トムソン刃とは異なり、板と刃が一体化していることからつなぎ目の段差ができないことから、より精度の高い要望に向いている手法です。一方で、ピナクル刃そのものを作成するコストが高い点も特徴です。
そして最後に紹介するのが彫刻刃です。金属を削りだして作るもので、ピナクル刃同様、繋ぎ目がありません。さらに刃の高さ制限がないことから、分厚い加工も行えるのですが、やはりピナクル刃同様、彫刻刃そのものの金型を作るコストが高くなりがちです。
書籍・雑誌といった複数枚の数を型抜きする際に用いられることが多い工法です。
大量に重ねられた紙を一度に型抜きできることから、大量生産に向いている一方で、精度がさほど高くはない点、大量生産の際には耐久性に優れた型が求められることによるコスト高が特徴です。
ブッシュ抜き同様、上から一気に型抜きするものです。
ブッシュ抜きよりも大きな素材の抜きに対応していることから、紙だけではなくゴムシートの加工にも対応しています。
手動工程が多い点がコストの高さを生んでしまう点や大量生産の難しさに繋がっています。
打ち抜き加工のメリットとしてコストが挙げられます。
他の製造方法と比較すると、型の製造コストを含めて低コストでの生産が可能です。ただし、あくまでも平たい素材の加工に限定されていることから、形状が異なる場合には型を変える必要があります。また、小ロット生産を苦手としています。刃の種類によっては決して不可能ではありませんが、生産性・効率性の観点から小ロット生産は他の方法を選んだ方が良いでしょう。フィルム・テープをロール状に巻いた後、流れるように加工することで大量生産が可能です。近年はスマートフォンや電子機器の保護フィルムの需要が増加していますが、それら以外の精密機器のフィルムの加工として用いられている手法です。
打ち抜き製品が行われているゴム製品として、パッキンが挙げられます。一度に大量生産できる特性を生かして製造されている点や、スジ・ミシン目を入れる必要がある靴のゴム底、机のすべり止め等にも用いられています。
裁断と同一視されやすいのですが、打ち抜き加工の場合、高精度を求めた大量生産が適している場合と、小ロットの加工が向いているケースがあります。
ノート、書籍といった形が揃ったものを加工することに向いている特性があることから活用されています。また、小ロットの場合にはポンス抜きにて加工されるケースもあります。
精度が求められる金属製品も打ち抜き加工が向いていることから、精密機械の部品製造に用いられることがあります。ただし、大量生産を行う場合、あまりにも複雑な形状には向いていないとされていることから、シンプルな形状が金属製品における打ち抜き加工に向いているとされています。
スピーディーかつ高品質な量産を得意としているオーティス。1ヶ月に1億個以上の生産に対応しているだけではなく、受注から納入まで最短6時間、取扱材料は15万種類、自社設計による設備は600台を超える環境を用意しています。
本社所在地 | 岡山県真庭市中原202-13 |
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営業時間/定休日 | 記載なし |
電話番号 | 0867-42-3690 |
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ラテン語で「着手する」を意味するペルゴテック。直接取引を行うことで高い技術を低コストで提供したいと考えており、「品質は製造で作り込め」をキャッチフレーズに、環境にやさしいモノ作りを目指しています。
本社所在地 | 兵庫県丹波市市島町中竹田1496 |
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営業時間/定休日 | 記載なし |
電話番号 | 0795-86-0824 |
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「お客様第一」を掲げ、社名が示すようにスピード感を武器に、「良い品を創意と熱意と人の輪で」を社訓に掲げている業者です。大量生産だけではなく、小ロットにも対応。提案から行っているので、気軽に相談できます。
本社所在地 | 東京都墨田区八広3-38-13 |
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営業時間/定休日 | 9:00〜17:30/日曜日、第2・第3土曜日、祝日 |
電話番号 | 03-3613-0536 |
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公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)