順送プレスは、コイル状に巻かれた素材を一定ピッチで送りながら、一つの金型内で打ち抜き・曲げ・成形など複数の工程を連続的に実施する加工法のこと。プレス機の1ストロークごとに完成品を得ることができます。
金属部品量産のイメージが強いものの、薄く変形しやすいフィルムや金属箔にも適用が広がっています。高速の自動送り機構と高精度ガイドを組み合わせることで、厚さ数十μmの基材でも寸法ばらつきを抑えた打ち抜きが可能です。
近年はサーボプレスの導入により、加圧速度や下死点位置をきめ細かく制御できるため、使用することで低応力での微細打ち抜きや深絞りなども行えるでしょう。
最大の利点はタクトタイムが短く、人手を介さずに自動連続生産できる点です。プレス1ショットで複数工程が完結するため、加工精度が工程間で累積せず、フィルム伸びによる位置ずれを送り穴ピッチで吸収できます。
一方、金型は多段構造で複雑化するため設計・製作コストが高く、形状変更が頻繁な小ロットや試作案件には不向きといえるでしょう。また、金型メンテナンスの頻度と刃物研磨の精度管理を怠ると、薄肉素材ではクラックやバリ発生が一気に歩留まりへ影響を及ぼすことも考えられます。
各方式には長所と短所があります。単発プレスは工程ごとに金型を交換するため、段取り時間が長くなる、レーザー加工は自由曲線に強い一方で切断面が溶融して黄変しやすいなどの点が特徴でしょう。
順送プレスは一つの金型で複数工程を統合できるため段取り替えの時間が短いのが特徴。刃物加工特有のシャープな切断面を維持しつつ、曲げボス成形や部分エンボスを同時に行えます。
レーザーと比較すると加工熱が基材に残りにくく、光学用ポリカーボネートやPETでも波打ちや白濁を抑制できます。一方で、初期金型費が高いことと、形状変更には金型改造が伴う点がデメリットといえるでしょう。
フィルム加工ラインでは、まずロール状のフィルムを巻き出し、送り穴を開けて材料を一定間隔で送ります。次に順送プレスを行い、加工した部分を成形。その後画像検査をしてプレスの仕上がりをチェックし、最後に再びロールに巻き取るという流れでの組み合わせが考えられます。この一連の工程をロールtoロール方式で一列に並べることで、スムーズな連続生産が可能になるでしょう。
この方式の大きなメリットは、張力制御や各装置の同期制御を最適化できる点にあります。フィルムの張力を適切に保ち、各工程がぴったり合うように調整することで、薄いフィルム基材に余計な力がかからずプレス後も巻き癖やシワができにくくなるのです。
最近では、多軸協調制御ができる小型のドライブシステムが普及しており、モーター同期制御パッケージを使えば、ユーザー側で簡単に設定が行えます。これにより生産の段取りにかかる時間を短縮でき、歩留まり(良品率)の向上にもつなげることができるでしょう。
順送プレスで扱える材料は多岐にわたり、PETやPCなどの汎用樹脂フィルム・ポリイミドやLCPなどの高機能フィルム・アルミラミネートや銅・ニッケル箔なども挙げられます。
製品としては、スマートフォン向けのウィンドウフィルム・車載ディスプレイ用反射防止フィルム・リチウムイオン電池のセパレータ外形加工のほか、フレキシブルプリント基板(FPC)の外形トリミングにも使われています。
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による) 参照元:オーティス公式HP(https://otis-group.com/blog/290/)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
ラミネート公差 ±0.2 mm・スリット幅 1 mm~対応
小ロット5 m~試作対応、短納期サンプルも相談可
打ち抜きだけでなく、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡まで⼀貫対応。多種材料をワンストップで提案。
R2R/R2S/S2Sの3方式ラミネート+独自カール矯正&クラス1 000クリーン環境で薄膜もフラット・気泡レスに仕上げ、試作から量産までサポート。