フィルム加工におけるナーリング加工とは

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ナーリング加工とは

ナーリング加工とは、フィルム原反の両端にローレット(凹凸が刻まれた押型)を用いてエンボス加工を施し、中央部の密着性を軽減しつつエッジ部を高く形成する技術です。この加工によりフィルム表面同士が直接接触する面積を減らし、中央部へのダメージリスクを低減します。

加工方法は、高温に加熱したエンボスロールを用いてフィルム表面に凹凸を転写する転造方式と、旋盤上で回転させたワークにローレット工具を押し付けて等間隔の溝を切削する切削方式の二つに大別されます。いずれもローレットの形状や材質、加圧条件を最適化することでフィルム特性に応じた凹凸パターンを再現し、狙った効果を発揮させることが可能です。

ナーリング加工のメリット

ナーリング加工の主目的は、フィルム巻取り時や搬送時に発生しやすいブロッキングやキズの防止、そしてゲージバンド(巻ズレによる厚薄ムラ)の抑制にあります。

端部に空間を確保することで中央部に空気層を形成し、フィルム同士が直接擦れ合うことで生じる微小な傷や汚れを防ぎます。また、厚みが不均一な箇所に偏ってかかる応力を均一化し、コーティング層や基材の変形を抑制。長尺加工時の安定性向上にも寄与できるでしょう。

ナーリング加工の種類について

転造方式(ローレット押圧)

転造方式は、凹凸パターンを刻んだエンボスロールをフィルムに高温で押し当てることで、ローラー自体のパターンをそのままフィルム表面に転写する方式です。

高温加熱によってフィルム表面が軟化するため、微細な凹凸形状まで再現。連続的な生産ラインにも適合しやすいのが利点です。凹凸型は用途に応じて10種類以上から選択可能。深さや幅・ピッチなどを細かく調整することで、フィルム材質や厚み、後工程の処理条件に最適化した加工が行えるでしょう。

切削方式(旋盤+ローレット工具)

切削方式は、ローレット工具を旋盤やカンナ盤に取り付け、回転するフィルム原反に工具を押し当てて等間隔の溝を削り出す方式です。

工具が摩耗しても再研磨が可能。転造方式と比べて型代が不要なため、試作段階や小ロット生産に向いています。

切削による精度は工具形状や送り速度、回転数に依存します。そのため溝の深さやピッチに対する調整幅が広く、多種多様なパターンで対応できるのが特徴です。

主に使用される製品

光学フィルム・耐熱フィルム

光学系フィルムや耐熱フィルムは、表面平滑度が高いため搬送時のブロッキングリスクが特に高いことが懸念されます。ナーリング加工により空気の層ができるため、ブロッキングを防ぎやすくなります。

その他包装用・医療用のフィルムにも効果的

包装用フィルムから医療用フィルムなど、幅広い分野でナーリング加工は採用できます。包装用途では製品搬送時の巻ズレ防止、医療用途では滅菌工程中のフィルム同士の付着防止などの目的で利用できるでしょう。

フィルム加工依頼における見積もりについて

ナーリング加工の単価は、フィルムの材質や厚み、凹凸深さ・幅、ロット数量などによって大きく変動します。

一般的には、試作や小ロットの場合は型代が加算されるため割高となりますが、量産ロットでは専用金型費用が分散されることで単価が低減する傾向があります。そのため最初の見積もり段階では、加工仕様や年間使用量などを確認し、どれくらいのコストとなるかフィルム加工会社に相談することが重要です。

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±0.05~±0.3

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