フィルム加工の方法は多々ありますが、ここでは用途別に分類してみました。それぞれについて、どのようなフィルム加工が行われているのか特徴や種類などについてまとめていますので、把握しておきましょう。フィルム加工に興味のある方や、フィルム加工を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
熱を伝えるためのフィルムです。TIMやグラファイトに代表される電子デバイスなど、発熱する機器を取り扱う際に用いられるものです。現在熱マネジメントは重要な課題となっています。熱伝導率を高めるためのアプローチとして、発熱部の密着性を高める点が挙げられます。
目視では凹凸がないように見えても、細かいレベルでは僅かな凹凸があり、そこに空気が入り込むことで熱伝導率を低下させてしまうのです。
そのため、これらの凹凸を塞ぐようなシートが熱伝導率を高めるために求められるのです。
電気を用いて作動するデバイスでは絶縁対策も必要です。主に用いられる素材としてはPI(ポリイミド)やPEN、PPSです。熱を帯びる製品での絶縁は耐熱性はもちろんですが、低熱膨張率や耐電圧、耐薬品性等も求められます。もしもですが、絶縁できなければデバイスは正常には動作しませんので、如何に大切なものであるかが分かるのではないでしょうか。
電子端末は防水性・防塵性も求められています。特に近年は電子デバイスの小型化が顕著です。より小さなデバイス・端末での防水は、僅かなスペースでの防水性が求められています。そのため、防水・防塵のために狭い部分で固定できる部品の調達も同時に求められています。水や埃は電子端末にとって大敵です。動作に支障をきたすものだからこそ、防塵・防水部品のニーズも高まっているのです。
ディスプレイ、カメラなどの透明性や光学特性をもつデバイスにおいて、なくてはならないものです。
透明性が求められる一方で、目視可能な部分であることから加工の難易度が高く、僅かなミスが目立ってしまう部分となります。
そのため、素材選定はもちろんですが加工技術も求められます。気泡、段差追従性、剥離性、反り、クラック等、加工プロセスにおいて求められる点は多々ありますので、検査の精度も求められる素材となっています。
電子機器は、外部からの電磁波によって不要な誘電電流が流れてしまうと動作に支障をきたします。受信が不安定になることで正常な動作ができなくなるだけではなく、映像や音声に乱れを生みます。
これらの電磁波ノイズを防ぐためにノイズ抑制シートが用いられます。電磁波の影響を極力抑えるために、透磁率の高い軟磁性材料を樹脂材料の中に配列させ、粉末間を電気的に隔離することで、ノイズを抑制します。
カメラやセンサーは、光学性能だけではなく機器・端末内部の遮光も大切です。機器内部にて光が散乱してしまうと、正確で鮮明な画像が撮影できません。つまり、遮光性を高めることこそが高精度化をもたらします。
一方で、カメラやセンサーも小型化が顕著です。そのため、遮光以外の機能も求められています。これらを小型化される端末・デバイスに搭載しなければならないことから、より細やかな加工が求められています。
抗菌加工フィルムには付着した菌を減少させる加工がされており、菌を抑制し減らす効果を認められています。スマートフォンやタッチパネル、ATMやリモコン、スイッチなど、身近な製品にも採用されているフィルムです。
製品を傷・汚れから守るためのフィルムを保護フィルムといいます。スマホなどのモバイル機器や車を購入すると、フィルムで保護されています。保護フィルムにも粘着力や素材などさまざまな種類があるため、用途に応じて選ぶ必要があります。
UV遮断フィルムは、住宅や車の窓、食品の包装袋、印刷物などに使用されるフィルムです。UV遮断フィルムを貼ることで、紫外線から製品の劣化を防ぐことができます。製品の安全性や品質を確保するために欠かせないフィルムです。
電気を流す導電部品です。導電性だけではなく高いクッション性を持つメフィットが有名で、電子機器のノイズ対策や静電気対策用部材として採用されています。メフィットは形状や固さ、厚みを自由に設定できる点や、最薄0.2mmの薄さから両面テープで付着させるだけで導電性を発揮できます。スマートフォン等の電子デバイスだけではなく、自動車用品やセンサー基盤に用いられています。
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)