蛍光体フィルムとは?

こちらでは、蛍光体フィルムについて解説しています。用途のほか、青い光を白色に変換できるフィルムの登場、そして注目すべきメリットなどをまとめました。

蛍光体フィルムについて

色再現性の高いディスプレイをつくるために、液晶ディスプレイのバックライトにQDを利用した色変換フィルムが使われています。発光半値幅が狭く色純度の高い発光が可能ですが、大気中に含まれる水分と反応しやすいなどの問題点があるので、バリアフィルムと組み合わせて 使用されます。

蛍光体フィルムの用途・LEDバックライトについて

4K、8Kに対応可能なディスプレイ製品が次々と発売されており、高画質化の流れが加速していることがわかります。そのような背景から需要が高まりつつあるのが、明暗を制御しやすい直下型LEDバックライトです。一つ一つの発光を制御できるので、明るい場所はより明るく、そして黒い場所はより黒くすることで、ダイナミックレンジを広げることが可能なのです。

また、必要なLEDだけを発光させられる特性上、省エネにもつながります。

青色LEDの青い光を白色に変換できるフィルム

直下型LEDバックライトの光源には、白色LEDが使われることが多いです。白色LEDには、単体で白い光を取り出せるというメリットはあるものの、発光具合にバラツキがあるため、精密なコントロールがしにくいという問題点がありました。

そこで登場したのが、液晶ディスプレイ内部用のフィルム素材です。バックライトユニットにバラツキの少ない青色LEDを用いること想定し、青色LEDが発する光から、白色の光を取り出すためのものです。

青い光は、拡散板の次に蛍光体フィルムを通ることによって白い光に変わり、偏光板・TFT・液晶によって明暗の調整が行われ、さらにフィルターで色をつけられてから、ようやく映像として視界に飛び込んでくることになります。

蛍光体フィルムのメリット

フィルム内に緑と赤の蛍光体が偏りなく分散している樹脂層が、一定の厚みで組み込まれている蛍光体フィルムであれば、青色LEDの光をムラなく白色に変換することができます。光源として青色単色のLEDを使えるようになるので、光がより均一になるわけです。

また、白色LEDのように発光の差が大きい場合には、隣の光と重ね合わせてムラを減らすために光源と拡散板の距離をキープしなくてはなりません。けれども、個体差が小さい青色LEDであれば、距離を縮められるので、ディスプレイの薄型化も可能になります。

PKG内に銀が含まれていないpackage とは

従来のLED PKGには、リフレクターやリードフレームなどの材料として銀が使われていました。けれども、銀には硫化物蛍光体と反応しやすい性質があるため、硫化銀となって反射率を下げ、LEDの効率を悪化させてしまうという問題があったのです。そこで近年では、PKG内に銀を含まないpackageが登場しました。導入すれば、反射率の低下を心配する必要がなくなります。

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