テープ・フィルムの加工方法は多種多様です。このページでは、加工方法の一つ、カッティングプロッター加工について特徴やメリット・デメリット、他の加工との違いについてをまとめています。
カッティングプロッター加工とは刃で様々な形にカットする加工方法です。ハサミやカッターナイフでは難しいカットも可能です。
刃先がペンのような形状となっていることから、従来の機械とは異なり、まるで人が絵を描くかのような自由な動きによるカットが特徴で、直線的なカットだけではなく、曲線のカットも可能です。
ベースとなる板に刃をセットし、機械にプレスする打ち抜き加工に対し、カッティングプロッター加工はデータに基づいて刃が動き、任意の形での加工が可能です。カッティングプロッター加工はデータがあれば加工できるので幅広い品種に活用できます。
一方、打ち抜き加工は大量生産が得意です。同じ加工を大量に行う場合には、カッティングプロッター加工よりも打ち抜き加工が適しています。一方、いろいろな形の加工を行う場合、打ち抜き加工は向いていません。形状に見合った刃を用意しなければなりませんので、コストがかかります。
そのため、多品種少数生産であればカッティングプロッター加工が、少品種大量生産であれば打ち抜き加工が適しています。このように、それぞれ特性が異なる加工技術となっていることから、どちらが優れているのかではなく、それぞれ用途に合わせて使い分けるとよいでしょう。
カッティングプロッターは家庭用タイプと業務用タイプに分類できます。家庭用のものは家庭用プリンタとほぼ同じサイズとなっています。A4サイズが上限となっていますが、小さいステッカー等、小物に利用するものであれば十分で、シンプルな操作性を追求したものとなっていることから、加工が初めての方におすすめのタイプとなっています。
一方の業務用カッティングプロッターはより大きなサイズの加工を可能にしているもので、業者が使用する大きなものとなっていることから、家庭への設置ではなく工場や職場等への設置が想定されたものです。値段も高額で、かつ操作性も知識を必要とすることから初心者向けではありませんが、家庭用カッティングプロッターでは行えない加工が可能です。
カッティングプロッター加工のメリットとして、型を製作する必要がない点が挙げられます。打ち抜き加工のように、型を製造し、型にて加工するのではなくデータに基づいて刃が動き、加工します。小ロットの対応が可能な点やデータで自由に製作できるので型の製作が難しいデザインの加工も可能です。
印刷物に合わせた加工も可能です。特殊なマークを印刷することで、機械が自動でマークを読み込みカットします。また、切るだけではなく削ることができる点もカッティングプロッター加工のメリットです。木、アクリルといった比較的硬い素材ではあっても、削って型を切り取り加工します。そのため、カッティングプロッター加工はデザインの幅が広いです。
実際にカッティングプロッターで試作品を作成する際の流れについて、大まかなものではありますが一例としてご紹介します。
まずはカッティングプロッター加工を行っている業者に連絡・依頼します。どのような加工を求めているのかを伝えましょう。もちろん相談するだけでも良いでしょう。実際に求めている加工を行えるのかや、これまでの実績にくわえ、費用や納期なども含めて総合的に判断します。
連絡して相談した内容で問題なければ正式な依頼・受注となります。カッティングプロッターの場合、型を製作するのではなくデータを作成します。データになりますのでメール等でサンプルを提供する業者もいます。また材料の在庫がある場合であればそのまま作成し、スピード感のある出荷も可能です。データや受注数等に左右される部分ではありますが、スピード感ある対応はカッティングプロッターならではです。
材料に在庫がなければ材料を手配することになります。材料の在庫状況に関しては状況によって異なります。以前同じ材料にてカッティングプロッター加工を行っていた場合には、手元に材料があるのでスピーディーな加工になります。材料がない場合、新たに手配する必要がありますので多少時間がかかります。
まずは試作品を作成し、確認してもらいます。試作品を見て、さらなる要望が出てくるようであれば伝えましょう。
カッティングプロッター加工について、特徴やメリット、実際に試作品を作成する流れを紹介させていただきました。型を作成する必要がないことから、自由度が高く、スピード感のある加工が行える一方で、抜き加工のような大量生産には向いていません。もちろん抜き加工にはないメリットもありますので、どちらが優れているのかを判断するのではなく、自社の求めるフィルムは、カッティングプロッター加工が良いのか、あるいは他の方法が良いのかという視点で考えてみましょう。
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)