ポリエチレン（PE）

フィルム加工でも用いられる材料 ポリエチレン（PE）とは

ポリエチレン（PE）はプラスチック素材の一つで、原油から抽出されたエチレンを原料にしています。シンプルな分子構造を持っており、身近でありふれた素材でもあります。原料が安価で加工がしやすく、大量生産される日用品から工業用品まで、さまざまな製品にポリエチレン（PE）が使用されています。また、フィルムやシートなどの用途で使用することもあります。

ポリエチレン（PE）は軽量で、水に浮く特徴を持ちます。素材自体の防水性も高くて水を通さないため、水分を含む内容物の保管や包装に適しています。一方で熱に強いとはいえないため、高温にさらされる場所での使用には適しません。なお、ポリエチレン（PE）はいくつか種類があり、性質が変わります。

ポリエチレン（PE）の長所と短所

ポリエチレン（PE）の長所

ポリエチレン（PE）は耐水性や耐油性、耐薬品性があり、さまざまな用途に使用できるのが特徴です。耐寒性もそれなりに高く、マイナス20度程度までなら耐えると言われています。そのため、寒い環境や氷点下での使用にも適しています。

ポリエチレン（PE）の短所

一方、ポリエチレン（PE）は耐熱性が低い点がデメリットといえます。火に近づけたり、高温にさらしたりすると、溶けて変形してしまう場合があります。また、接着しづらいため、接着剤が必要な時は注意が必要です。

ポリエチレン（PE）の製造方法

ポリエチレン（PE）は、原材料のエチレンと触媒を混ぜて化学反応を起こして製造されます。化学反応を起こす際は温度と気圧が必要で、低・中密度のポリエチレン（PE）などを製造する際は、数百度・数百気圧の高温高圧が求められます。

ポリエチレン（PE）の種類

ポリエチレン（PE）は複数の種類があり、代表的なものとしてはEVA樹脂と超高分子量ポリエチレンが挙げられます。

EVA樹脂は、エチレンと酢酸ビニルを使用して作られる素材です。通常のポリエチレン（PE）に比べて、柔軟でゴムのような弾力性を持っています。軽量で加工もしやすいことから、玩具から建築用の断熱材まで、幅広い用途に使われています。

高分子量ポリエチレンは、ポリエチレン（PE）よりも耐衝撃性・耐摩耗性がある素材です。しっかりとした強度を持っており、スクリューやギアなどの産業用途のほか、義肢の材料として用いられる場合もあります。

ポリエチレン（PE）の使用用途

ポリエチレン（PE）は、主に下記の用途で使用されています。

• スーパーなどのレジ袋
• 梱包用フィルムやシート
• 食品用の容器
• 食品の保存容器（タッパー）
• 食器やまな板
• シャンプーやボディソープなどの容器
• バケツや洗面器
• ポリタンク
• 工業部品

ポリエチレン（PE）は汎用性が高く、さまざまな製品で使用される素材です。他にも、絶縁性を活かして電線の被覆に使用される場合もあります。

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