薄型の筐体に部品を詰め込んだスマホやタブレットでは、熱対策やノイズ対策にフィルム材が活用されています。また画面の大型化に伴って、ガラス固定用の両面テープは極限まで細くなっています。
タブレット端末の液晶パネルを保護するために使われるフィルムには、落下時の割れ・飛散を防いだり傷を防いだりといった基本的な機能に加えて、さまざまな機能が付加されています。指紋などの汚れ防止、眼精疲労を軽減するブルーライトカット、覗き見防止、また、高光沢やアンチグレアなど、好みに応じて画面の反射率を調整するものもあります。
タブレット端末の液晶保護フィルムには、樹脂系のものと高硬度のガラス系のものがあります。樹脂フィルムの素材は主にPETで、ガラスフィルムは硬度9Hのガラスが大多数です。硬度の高いガラスをプレス加工するには、クラックを発生させないための技術が必要とされます。
薄く小さい筐体を持つスマートフォンでは、熱を効率よく処理することが重要になります。放熱・熱伝導シートは、ICチップやバッテリーといった熱を発する部位とヒートシンクなど放熱部品の間に挟み込むことで、熱を素早くヒートシンクに伝えるフィルム製品です。内部の過熱を防ぐことによって発火の危険を抑え、また振動や衝撃を吸収する機能もあります。
放熱・熱伝導シートには、高い熱伝導率と柔軟性を兼ね備えた材質が適しており、グラファイト(炭素繊維)や熱可塑性エラストマー、シリコーン、アクリルなどが使用されます。より効率的に熱を伝えるため、密着性が高い柔軟な素材が使われる傾向があります。
スマートフォンのカバーガラスは、両面テープで固定されています。現在は画面の大型化、薄型化が進んでおり、ベゼルレスタイプも多く登場。それに伴い、カバーガラスを固定する両面テープも極限まで細くする必要が出てきました。中には、0.3mm幅での打ち抜きを行っているものもあります。打ち抜き幅が小さくなると、加工精度だけでなく、粘着強度と防水性能をいかに確保するかという課題も出てきます。
カバーガラス固定用の両面テープの材質には、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリルなどが多く用いられています。高い粘着力を持つ両面テープを打ち抜く時には、粘着剤のはみ出しを防止する必要もあるため、高い技術が求められます。
スマートフォンやタブレットの画面(タッチパネルディスプレイ)には、万が一、画面が割れてしまってもガラスが飛散しないよう、ハードコートフィルムを貼るケースがあります。ハードコートフィルムはその名の通り、通常のフィルムと比較して固いため、より高い加工精度を実現できる企業への依頼が必要です。
ディスプレイ部分には光学フィルムが使用されています。また、タッチパネルと本体を固定するために、基材レステープや帯電防止フィルムなども使われています。
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)