UVテープとは?

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UVテープとは

UVテープは、近年の半導体製造において注目される機能性テープの一つです。このテープは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と九州大学、さらに日東電工という企業が共同で開発しました。主に半導体の加工工程で使用されており、特に「バックグラインディング」と「ダイシング」と呼ばれる工程で活躍しています。

バックグラインディング工程では、半導体ウエハの裏面を薄く削る作業が行われますが、このときにウエハの表面を傷から守るためにUVテープが使われます。一方、ダイシング工程では、ウエハをチップごとに切り分ける際に、ウエハやパッケージ基板を固定するために用いられます。このように、UVテープは高精度な作業中でも素材をしっかりと保持し、作業後には紫外線(UV)を当てることで粘着力が低下し、簡単に剥がすことができるという特長を持っています。

さらに、このテープは半導体だけでなく、セラミックス、ガラス、サファイヤといった硬くて壊れやすい素材の固定や保護にも利用されています。こうした素材を加工する際にも、作業中の安定性を保ちつつ、終了後には素材を傷つけずに取り外せるため、さまざまな分野で注目されています。

UVテープの特徴

UVテープは、近年注目されている二次元材料の取り扱いにおいて重要な役割を果たすと見られています。二次元材料とは、グラフェンのように炭素原子がハニカム状に並んだ非常に薄いシート状の物質で、次世代の半導体デバイス材料と目されています。しかし、その極端な薄さゆえに、材料を別の場所に移し替える「転写」の過程では、高度な技術が求められます。

従来の方法では、高分子保護膜を用いて転写を行っていましたが、作業中に材料に傷がついたり、残りかすが残って性能が下がったりするなどの問題がありました。これに対して、新たに開発されたUVテープは、「キャッチ・アンド・リリース」というコンセプトをもとに設計されています。この方法では、まずUVテープの粘着力が高い状態でグラフェンをしっかりとキャッチし、その後、UV光を照射することで粘着力を約10分の1に弱めてリリースし、基板へときれいに移すことができます。

この転写技術は、グラフェンと粘着剤の間に働く非常に小さな力「ファンデルワールス力」を、UV光によって細かくコントロールすることで実現されています。さらに、開発には人工知能(AI)も活用されており、結果として最大で99%という非常に高い転写成功率が得られました。これにより、二次元材料を使った電子デバイスの研究や製品開発が大きく前進すると期待されているのです。

活用される代表的な業界

UVテープは、主に半導体やエレクトロニクスの分野でよく使われています。たとえば、スマートフォンやパソコンの中に入っている小さな電子部品を作るときや、自動車の電子システム、光を使った電子機器などの製造現場で重要な役割を果たしています。

UVテープの種類とそれぞれの特徴

UVテープは用途ごとの3種類に分けられます。たとえば「ウエハ固定用」のテープは、壊れやすいウエハを接着する用途で使われます。高い粘着性を持つ反面、剥離後ほとんど残りカスが出ないという特徴があるので、ウエハを品質を保ったまま扱うことができるのです。

「ダイシング用」のUVテープは、ウエハを小さなチップに切り分ける際に使用するテープです。分割したチップがバラバラにならないよう保持する目的で使用されます。

「チップボンディング用」のUVテープは、小さなチップの正確な位置決め・固定のために利用されます。作業中はチップを支え、最後にUVライトを当てることで簡単にはがせるので、精密な作業で役立つのです。

半導体や絶縁体にも応用

増粘剤の最適化により、二次元半導体である遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)や、絶縁体として知られる六方晶窒化ホウ素(hBN)といった幅広い材料にも対応できます。

その応用例の一つとして、代表的なTMD材料である二硫化モリブデン(MoS₂)をUVテープで転写したところ、三角形のグレインと全面膜が転写できることが確認されました。さらに、このMoS₂を用いたトランジスタが実際に良好に動作することも報告されており、実用性の高さが示されています。

このUVテープを使えば、複数の二次元材料を層状に重ねた「積層構造」の作製も可能です。たとえば、ある材料をキャッチしたテープを小さくカットし、必要な場所にだけ転写することで、効率よく電子デバイスを製造できます。この方法は、使用する二次元材料の無駄を減らし、材料コストの削減にもつながる点が大きな利点です。

また、このUVテープには柔軟性があるため、従来の硬い基板だけでなく、プラスチック製の眼鏡や柔らかいポリマー製の基板にも転写が可能です。さらには、MoS₂をグラフェン電極ではさむような複雑な構造も実現できるなど、先端的なナノデバイス設計にも対応できる性能を備えています。

参照元:NEDO|世界初、グラフェンなどの二次元材料テープを開発(https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101723.html)

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