ポリイミド(PI)

フィルム加工でも用いられる材料ポリイミド(PI)とは

ポリイミド(PI)は、アメリカのデュポン社によって開発されたプラスチック素材で、熱に強い特徴を持っています。特定の機能を強化した、エンジニアリングプラスチックに分類されています。耐熱温度は数百度とされており、一般的なプラスチックよりも耐熱性能があります。他にも、電気の絶縁性や熱の伝導性など、さまざまな特徴を兼ね備えた素材です。

ポリイミド(PI)は、プラスチックの中でも強度があるため、耐久性が求められる分野で広く活用されています。例えば電子機器に使われる基板(フレキシブルプリント基板)や、自動車部品などに用いられています。ポリイミド(PI)はフィルムのように伸ばせるため、絶縁性を活かして人工衛星の被覆に用いられることがあります。

ポリイミド(PI)の長所と短所

ポリイミド(PI)の長所

ポリイミド(PI)は耐熱性があり、燃えにくい点が特徴です。熱にさらされる場所や、高温な環境での使用に適しています。また、熱で膨張・収縮しにくく、十分な寸法安定性を有しています。耐薬品性もあるため、大半の有機溶剤に耐えることが可能です。

ポリイミド(PI)の短所

ポリイミド(PI)の短所は価格にあります。一概にはいえませんが、安価なポリ塩化ビニルなどに比べ、ポリイミド(PI)は数十倍の費用がかかります。大量に必要な場合、コストが膨れ上がる可能性があります。

ポリイミド(PI)の製造方法

ポリイミド(PI)は、最初にジアミンにカルボン酸無水物という物質を組み合わせ、ポリアミド酸を作り出します。そしてポリアミド酸を高温で加熱し、脱水などの処理(イミド化)を行ってポリイミド(PI)が生成されます。

ポリイミド(PI)の種類

ポリイミド(PI)は、熱可逆性と熱硬化性の2種類に分けられます。

熱可逆性のポリイミド(PI)は、加熱することで柔らかくなるのが特徴です。TPIとも呼ばれます。熱にも強い性質を持ちますが、加工がしやすく、射出や押出成形加工も可能になっています。さまざまな装置の部品に用いられています。

熱硬化性は、軟化温度の高さが特徴のポリイミド(PI)です。主にコーティング剤や、フィルムなどの用途に使用されています。

ポリイミド(PI)の使用用途

ポリイミド(PI)は加工性が高く、以下の用途に使われています。

ポリイミド(PI)のポピュラーな用途が電子機器です。フレキシブルプリント基板に使用されるほか、絶縁のための保護皮膜に用いられています。また、自動車の部品や人工衛星など、過酷な環境に置かれるケースでもポリイミド(PI)が活用されています。強度や耐久性が求められる場合に適した素材といえます。

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