家電製品に使われるフィルム製品には、パーツ固定用のテープ、ネジの緩みや母材が傷つくのを防ぐワッシャー、絶縁テープや防水テープ、シーリング材や制振材などがあります。
家電製品はもちろん、あらゆる電気・機械製品、住宅に使用されている樹脂ワッシャーは、ボルト・ナットと一緒に使用することでネジの緩みを防止したり座面を傷から守ったりするほか、絶縁、気密性を高める目的でも用いられます。ワッシャーには平ワッシャーとスプリングワッシャーがありますが、樹脂で作られるのは平ワッシャーで、目的に応じてさまざまな素材が用いられます。
参照元:オーティス公式HP(https://otis-group.com/technologycase/)
家電製品で使用されるワッシャーの素材は、PET、ポリカーボネート、ポリエチレン、超高分子ポリエチレン、ナイロン、6ナイロン、66ナイロン、ファイバー、テフロン、ポリイミド、ポリアセタール、ポリプロピレンなどさまざまです。モーター部品などの摺動・回転部には、耐面圧性、耐クリープ性が良く、摩擦係数が小さいポリスライダーが適しています。
洗濯機や炊飯器といった白物家電の操作部によく用いられるメンブレンスイッチは、デザインの自由度が高く、筐体への取り付けが簡単で、簡易的ではあるものの防滴性もあります。メンブレンスイッチには表面を保護する表面シートとスペーサー、接点シートなど使用されており、樹脂と金属箔の打ち抜きや貼り合わせといった工程を経て製造されます。
参照元:オーティス公式HP(https://otis-group.com/technologycase/)
メンブレンスイッチの表面シートには、PETやポリカーボネートが使われています。PETを使用すればスイッチの動作寿命を長くできますが、ポリカーボネートの方が耐候性には優れます。ほか、金属箔、両面テープ、防水テープなどが使われます。
エアコンには、上記で紹介した樹脂ワッシャーのほか、シーリング材や制振目的で用いられるエプトシーラー、放熱シート、結露防止シート、制振材、防水テープ、オーナメント類を固定するためのテープといったさまざまなフィルム製品が使われています。また、集塵フィルターの素材はフィルムではなく不織布ですが、フィルム同様プレス加工によって成形されています。
参照元:オーティス公式HP(https://otis-group.com/mission/contribution.php)
エアコンに用いられるフィルム材の素材には、ポリエチレンやポリプロピレンのほか、ゴムやアルミ、不織布などがあります。室外機の露出部分には、耐候性に優れたポリ塩化ビニルなどが使用されます。
引用元:株式会社三共プラス公式HP
(http://sankyo-plus.co.jp/business/planning/case/entry-41.html)
温水洗浄便座に抗菌性能を持たせるため、Ag系の抗菌剤を積み重ねたPETフィルムを使用することで、衛生機能の向上につながっています。便座部分やスイッチ部の筐体に加えて、肌が触れる部分がすべて抗菌仕様になることで、より衛生的になっています。
参照元:三共プラス公式HP(http://sankyo-plus.co.jp/business/planning/case/entry-41.html)
上記メンブレンスイッチと同様にPETが使用されています。スイッチ部の筐体に液晶パネルがある場合は、調光フィルムや固定用の両面テープなどが使われるケースもあります。
家庭の生活用品の製造・販売を行っているメーカーの事例です。今まで海外の提携工場でオリジナル製品を製造していましたが、材料の調達から日本生産に切り替えることになりました。
大手では単価が低い民生品の製造を取り合ってもらえず、小さな工場では大量に作ることができないという課題にぶつかります。家庭用品は数量が膨大になることから、スピードとキャパシティのある工場を持つ企業を探すのが大変でした。
オーティス社は、材料の調達から製品の加工まで一括で行うことができる企業であるため、初動の際に段取りよく話し合うことができました。ロータリー刃を使用した加工と、プレス機を使用した加工の2種類を提案してもらい、それぞれのメリット・デメリットを比較して自社に合う加工法を見つけました。
製品の抜き形状と並び方を変えて取り数を増やす提案もしてもらい、最終的にはコスト上昇をかなり抑えることを実現。製品の仕上がりも海外の工場で作っていたものより高品質なものができあがりました。
参照元:オーティス|お客様の声(https://otis-group.com/voice/)
今まで自社のゴム系材料で10k/月程度で量産していましたが、新規顧客に展開するにあたり100k/月以上量産する必要があります。自社のキャパでは対応が難しく、キャパのあるプレス加工メーカーを選定する必要がありました。
試作対応で潜在課題を抽出し、さまざまな提案をしてもらいました。当初予定していたレイアウトとはかなり変更になりましたが、安心して量産を開始でき安定生産につながりました。
参照元:オーティス|お客様の声(https://otis-group.com/voice/)
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による) 参照元:オーティス公式HP(https://otis-group.com/blog/290/)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)