絶縁部品

電子機器設計者や材料技術者向けに、高性能な絶縁材料PI（ポリイミド）についてご紹介します。PIは、その卓越した電気絶縁性、低誘電率、そして耐熱性により、電子機器や産業機器、宇宙航空分野での需要が高まっています。この記事では、PIの基本的な特性から使用される具体的な用途、さらには注意点まで、詳しく解説しています。PIを使用することで、電子機器の小型化を支えると同時に、高い性能を維持することが可能です。ぜひ、製品設計や材料選定の際の参考としてください。

フィルム加工された絶縁部品

PI（ポリイミド）

引用元：オーティス公式HP　
(https://otis-group.com/blog/gyoukai/mobile/polyimide-_film/)

基本的にはプラスチックです。強固な分子構造のため、熱硬化樹脂の中でも耐熱性に優れています。
電気絶縁性、低誘電率、体誘電損失といった電気特性、耐薬品性、耐放射線性に優れている点が特徴です。
熱に対しての膨張率が低いことから電気・電子機器や産業機器、宇宙航空分野での需要が高まっています。
近年、電子機器の小型化が顕著ですが、その裏に密着性やはんだ耐熱性、寸法安定性といった特徴を持つPI（ポリイミド）の存在が挙げられます。

PI（ポリイミド）が使われているもの

低誘電率や熱に対しての膨張率が低い特徴から、精密フレキイブルプリント配線基板やモーターコイルの絶縁体として使用され、ノートPCやスマートフォンといったデジタルデバイスに組み込まれています。
また、透明なタイプのPI（ポリイミド）はスマートグラス用基板、次世代ディスプレイ基板、太陽電池用基盤といった透明性を生かした基板、さらにはタッチパネルやディスプレイの表示機器としても使用されています。

PI（ポリイミド）の注意点

高い耐熱性を誇るPI（ポリイミド）ですが、使用する際には絶縁膜の誘電率を低くすることが求められています。
そのためには分極率の高いイミド環の割合を減らすこと、フッ素やトリフルオロメチル基を置換基として導入することが必要です。これにより、高い耐熱性を誇りつつ、信号の高速化をもたらします。

PEN（ポリエチレンナフタレート）フィルム

樹脂のガラス転移点121℃、機械特性160℃、電気特性180℃と耐熱性が高い特徴を持つことから、工業用部品や食品包装、医薬品包装などや磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属ラミネート用フィルム、ガラス製の表示機器に用いられています。
酸性のNDC、グリコール成分のエチレングリコール重縮合物である結晶性熱可塑性ポリエステルで、結晶性樹脂ではありますが、結晶加速度が遅いことから透明成型品を得ることができます。
また、ポリカーボネート樹脂と比較すると、耐薬品性に優れており、傷つきにくい点も特徴なことから、ハイクオリティな製品にも向いています。
他にも耐加水分解性に優れていることによる寿命の長さや紫外線を吸収する特徴も有しています。

PPS（ポリフェニレンサルファイド）

ベンゼンと硫黄が交互に結合した構造を有する熱可塑性樹脂で、その特性からスーパーエンジニアリングプラスチックとして用いられています。
充填するフィラーの種類によって機械的強度を変化できる点も特徴で、ガラスファイバーと複合させた強化樹脂としても用いられています。
特に注目すべきはバランス性の高さです。
耐熱性、機械的強度、寸法安定性、難燃性、耐薬品性、さらには成形性や加工性にも優れています。

PPS（ポリフェニレンサルファイド）の用途

自動車部品や電子部品、医療機器部品など高い性能が求められる製品に使われています。
特に自動車に関してはハイブリッド車に必要な点から、ハイブリッド車を得意とするメーカーからの需要が高まっています。
他にもICチップの電子部品に使われています。
また、PPS繊維を使用したフィルターも作られています。

PPS（ポリフェニレンサルファイド）の注意点

PPS（ポリフェニレンサルファイド）は架橋型と直鎖型に分類できます。
特に重縮合反応で架橋処理をすることで特性が大きく変化してしまうことから、それぞれ使い分けることが求められます。
高温環境下でも高い合成を維持できる架橋型と、高い耐吸湿性や電気絶縁性を持つ直鎖型、それぞれの特徴を把握しておきましょう。

【用途別】フィルム加工部品について
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