こちらのページでは、異方導電フィルムについて、特徴やその原理、使用することで得られるメリット、種類、おもな用途などを紹介しています。フィルム加工に関する疑問などを解消するための参考として、ぜひお役立てください。
ICなどをはじめとする電子部品を、基板に実装して回路を形づくる際に使用されるフィルム素材のことを、異方導電フィルムといいます。スマートフォンやタブレットPCのほか、フラットパネルディスプレイを使った機器であれば、たいていの場合、異方導電フィルムが使用されているといっても過言ではありません。
単体で「接着」「導通」「絶縁」の合計3機能を果たせることが、異方導電フィルムの注目すべき特徴であるといえます。同時に多数の電極を接続し、しかもこれまでの代表的な電子部品実装方法であるはんだ工法よりも、微細な接続ができます。しかも、低温での実装が可能です。
また、異方導電フィルムの構造についですが、接着剤の熱硬化性樹脂中に導電性の粒子が分散しているのが特徴的です。熱・圧力を加えると、向かいあう位置にある端子と端子が導電粒子を挟むため、最表面の絶縁コートが壊れ、その結果、電流の回路が形成される原理になっています。挟まれなかった粒子は樹脂内部で端子間に移動します。すると、絶縁コートがキープされた状態になるので、ショートするのを回避できるのです。
言い換えると「電極・基板間の縦方向には電気が流れるが、電極間の横方向には電気が流れない状態」となります。このように、方向によって異なる特性を有しているため「異方性導電膜」という名称がついているのです。
注目すべきおもなメリットとして、次のようなものがあげられます。
さまざまなタイプの異方導電フィルムがありますが、ここでは、現在特に幅ひろい用途で使われている「熱硬化性樹脂を用いた異方導電フィルム」、そして用途は限られているものの、扱いやすさなどの点でメリットの多い「熱可塑性樹脂を用いた異方導電フィルム」についてみていきます。
現在使用されている異方導電フィルムのうち、大半は熱硬化性樹脂を使用したものです。導電パスの電気抵抗・接着力・隣接電極との絶縁性などが優れているのが特徴です。ただし、高温時には熱硬化反応が起こるため、保管の際には冷蔵保管を選ぶ必要があるという点には、注意しましょう。
それほど多くの用途で使われているわけではありませんが、スマートカードなどの非接触ICカードの回路接続部などに使用されています。冷蔵保管をせずに済むことや高温で保持する時間が要らないことなどが主なメリットとしてあげられます。ただ、上述の熱硬化樹脂を用いた異方導電フィルムより用途が限られているという問題点があります。
スマホなどのディスプレイやそのタッチセンサーには、手が触れた際の静電容量が変化していくのを検知する目的で、基板あるいはガラス基板に透明電極がパターニングされています。そして、電極およびセンシングのためのドライバーIC接続をとるのに、異方導電フィルムが使用されています。
スマホやデジカメのカメラモジュールには、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)やCCD(固体撮像素子)が使用されています。これらは、いずれも熱に弱いという弱点があります。そのため、低温であっても接続できる異方導電フィルム実装が採用されているのです。また、マイクロLEDは、いっぺんに多くのチップを実装しなくてはならないので、こちらにも異方導電フィルム実装という方法を採用することが検討されています。
低温で実装できるという大きな強みをもつ異方導電フィルムは、ほかにも、半導体の2次実装の分野など、採用される場面が増えつつあります。
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)