自動車は多くの電装品を搭載しており、それらの絶縁や取り付けにはフィルムが欠かせません。また、内装ではインストパネルやスイッチパネルの表面加飾に、外装では塗装時のマスキングにと、多種多様なフィルムが使用されています。
自動車のインストロメント・パネルやスイッチ・パネルといったプラスチックパーツ、またトリムの表面加飾には、フィルム材が使用されています。樹脂フィルムは木目調、金属調などさまざまなテクスチャーの再現性に優れており、以前は塗装やメッキ処理が施されていた部位が、フィルムによる加飾に置き換わっています。また、加飾パネルを固定するために、両面テープが使用されています。
また、カーナビや車載の地デジに使用されるフィルムアンテナも、その名通りフィルム加工品が使われています。自動車のフロントガラスに設置するため、透明度が求められ、貼り合わせ加工には高い技術が求められます。
自動車内装の加飾用フィルムには、PET、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどが使われています。固定用のテープの基材には、アクリルフォームやポリエステル、不織布などが、粘着剤にはアクリル系のものなどが使用されています。接着剤がつきにくいポリプロピレンにも、アクリル系の粘着剤は有効です。
マスキングテープは、車の塗装になくてはならないフィルム製品です。新車を塗装する際には、ホワイトボディに塗料を吹き付け、焼き付けを行いますが、補修の場合にはウインドウその他のパーツをマスクして塗装する必要があります。また新車の場合でも、ツートンに塗り分ける場合はマスキングが必要です。マスキングテープは、マスカーの固定や見切り線を作るために使用されますが、基材にしっかりと定着するのはもちろん、ベイクサイクルの熱に耐え、最後には綺麗に剥離するなどの性能が求められます。
マスキングテープの基材には、クレープ紙やポリエステルフィルムが用いられます。クレープ紙は柔軟性に優れるのでエッジにも接着しやすく、簡単に剥がせるといった特徴があります。ポリエステルフィルムは直線のマスキングに向きます。粘着剤はゴム系、もしくはアクリル系が使用されます。
スターターモーターに始まり、ウインカー、ワイパー、エンジン制御システム、ブレーキアシスト、エアコン、パワーウインドウと、自動車には数え切れないほどの電装品が装備されており、それらの電装品には大量のハーネスが使われています。各電装品の絶縁や取り付け、ハーネスの結束のために、絶縁性を持つフィルム製品が用いられます。
自動車で使われるフィルム製品には、耐熱性や難燃性、耐寒性、耐薬品性、優れた機械特性が求められます。これらの特性を持ち、絶縁性にも優れたポリイミドは、エンジンルームなどの過酷な環境での使用に適しています。
今まで自社評価用サンプルを自社保有のプレス機で加工していましたが、お客様への評価サンプルを提示することになり、要望を叶えるためにはフィルムを多層積層に形状加工することが求められました。1台のプレス機での対応が困難なため、オーティス社に相談しました。
今回の課題の1点目「シート供給品を極力人の手を介さずに自動化ラインを組んで行いたい」という内容に対し、オーティス社は自社で生産設備を開発製造できる力を発揮。試作に関しても数回の実施で、量産が可視化されました。
課題2点目「フィルムの多層ラミネートで乖離が求められる部分について、層間でのトレードオフを探したい」という点では、粘着テープなどを提案。条件をマトリックスで振って、構成をフィックスすることができました。
EVで使用する電池部材の加工ができるメーカーを探していたところ、オーティス社を見つけました。自動車部品の加工にどの程度対応可能か未知数ではありましたが、IATF16949の認証を受けていることが決め手で相談してみることにしました。
岡山の工場は明るくキレイで、事業ごとに仕切られたクリーンルーム内でプレスマシンが稼働しており、精密部品の大量生産が得意だと一目でわかる環境でした。オーティス社は自社で設備や金型を作ることが可能なため、面倒な注文や加工トラブルがあってもその都度金型を作り直し設備を改良。
当初2年かかると思われていた開発期間が1年半に短縮でき、待望の量産につなげることができました。品質管理もダブルチェック体制で安心です。
自動車部品を焼成する際に使用する離型フィルムはとても高価です。そのため、使用時にロスを少なくできるような加工をしたいという課題があります。
抜き形状が単純な四角い形状であったことから、マイクロミシン目加工をしてロール状で納入。使用する際にカットの手間が簡略化されて作業効率が向上するだけでなく、材料ロスもなくすことができました。
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)